『キャロル』

2016年のバレンタイン頃に公開された『キャロル』をやっとレンタルで見ました。

劇場公開時から気になっていたんだけど、見に行けなくて…

「やっと…!」でした。


ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラ、

外見も世代もまったく違う女性ですが、どちらも大好きな女優さんでしたし、

そんな二人が「恋愛関係、に…!?」という本作は、私にはもう好きな要素しかないわけで…


悶絶。


ですから、もう期待通りに素敵な映画でしたし、期待以上に大切な映画に出会えた感じです。


50年代のニューヨークの街並み、その色合いがすごく素敵でした。

女優たちの衣装、乗っている車、ビルの佇まいや、ホテルのインテリアなど。


ケイト演じるキャロルにも、ルーニー演じるテレーズにも、初めはちゃんと異性のパートナーがいます。どちらの男性も「きみを幸せにする。ぼくにはその力がある。」とアプローチしてくれる人です。だけどそれは、キャロルにとってもテレーズにとっても、彼女の意思や人格を無視した身勝手な男気なのです。このあたりの描写には、時代性と普遍性の両方を感じました。


感じたけれど、それが映画の見どころとか中核そのものであってほしくはないなー、というのが個人的な所感です。


この映画にはもっと美しいもの…

理解され支持されることだけでは得られない「愛の充実」が描かれているように感じました。

それは、あの、たいへん抑制の効いた、見事なラストシーンに現れていると思います。


だれにも言えない、だれにも言わない、

けれど今確かにこの手の中にある愛おしい人の手。それを離さない。

そんな静かで強い愛。本当に感動しました。

0コメント

  • 1000 / 1000