「女の足の裏の話」①

最近のことである。

ある日、何気なく、手が自分の足の裏に触れた時、そこは柔らかかった。

「そんなはずはない。私の足の裏がこんなにも柔らかいなんて...」

にわかに私は信じることができず、自分の足をひっつかんで裏返し、よく見ながら触れてみた。

「ふわふわしている。それに、どこにも皮の滞りが、ない。」

と、いうのも...

私の足の裏にはかつて、3箇所ほど皮が硬く滞った部分があった。
具体的に言うとそれは、小指下・親指下にそれぞれあるタコと呼ぶに相応しい見た目のやつと、人差し指の下あたり...足で物を掴もうとすると皺の寄るあたりに、長さ縦に2~3cmほどの硬い皮の盛り上がりがあった。それらは、繰り返し剥がれ(剥がし)時に痛みを伴っては、また再生した。自然に治癒するような傷ではないのだ。

これはなにも珍しいことではなくて、現代社会でヒールを履いて生活する女性ならば
「ああ、その子たちならよく知ってるわ。なぜって私の足裏にもいるからよケタケタ」
と笑っちゃうほど、ポピュラーな症状ではないかと思う。

足の裏なのだから、滅多に人目につくこともないのだけれど、かと言って具合のいいものでもないので、なんとなく「恥ずかしいなぁ」と思ってもいた。

世の中には、こうした女性の足裏問題を解決するクリニックやサロンもある。
私も足裏をつるんとさせたくて何度か利用した。
まずぬるま湯で、硬く変形した皮・不自然に寄り固まった皮をふやかされ、患部にヤスリをかけられ、足裏全体を柔らかくしてもらうのだ。
でも所詮、ヤツらはまたすぐに復活してしまう。

そんなふうにして、時々私を憂えさせた足の裏のモノたちが、気付くといなくなっていた、というわけである。

「まさか彼奴ら、解消されたのか...!?」

...

そうなのである。
かつて「此奴らとは墓まで一緒に歩いていかねばならんのか」とまで思わされた凝り固まった足裏の皮たちが、ここ数年をかけてゆっくりと消え去っていたのだ。私の知らないうちに。

いったいなぜ...どうして...?

解決編は②へ。
ある日のおやつ「黒豆豆花」
台湾風豆乳プリンの上に甘く煮た豆がコレデモカ。
※本文とは関係ありません。

KIMURA HARUKA

木村はるかが140文字をオーバーする時。

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