親愛なる時代たちへ ライナーノーツ

脚本家としての私(森悠名義)にとっての、最新作「親愛なる時代たちへ」が絶賛稽古中です。
私も時折稽古場に顔を出しては、さかいかな の真摯な演出と、それに応える俳優陣の一途な姿に胸を打たれております。

今企画の主宰者 さかいかな や、その他出演してくださる役者さんたちも宣伝してくれていますが、登場人物の数人には「時代そのもの」を演じてもらっています。
それぞれの時代たち…が、なにをどう語らうのか?それは、時に滑稽で、時に真剣で。気軽に楽しんでいただける要素も満載ですので、ぜひ劇場に起こしくださいませ!

「昭和」が「平成」になった時、私は6~7歳。そしてこの2019年春、2度目の改元「令和」へ。
人生でもう一度改元に立ち合うことがあるかどうか、先のことはわからないけれど、少女時代に突如起こった改元に比べると、今回の改元は「多感な時期を過ごした時代への別れ」と「新時代への期待」をハッキリ感じる節目でした。
お正月でも世紀末でもないわけですから、今日とそう変わらない明日が来るだけかもしれませんけれど、みなさんはどう過ごされましたか?
ともかく、この節目に乗っかって、ひとつの作品を書くことができ、とてもうれしく思っています。

個人のアイデンティティの獲得や関係性の物語ではなく、今実際の社会に強く結びついた物語を生み出すこと、これは私にとって密かな夢でした。
劇場に足を運んでくださったお客様に、上演中素晴らしいひと時を過ごしてもらうことは当然ですが、終演し、劇場から出た時、その目の前に広がる世界が、つい今しがた見た舞台とちゃんと繋がっていてほしい。
現代と現在を生きる人々により密接した物語を書いてみたい、とずっと思っていたんです。

今を生きる私から、同じように今を生きるみなさんへの「ねぇ、今回の改元どうだった?」
劇作を通して、みなさんと語り合えたらうれしいです。

KIMURA HARUKA

木村はるかが140文字をオーバーする時。

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