いろんな声のお仕事

先日Twitterに、とあるコンビニのATMの声を担当しているという旨を書いたら、その後数日にわたり、ふぁぼ・フォロー・RTが止まらなくて、とてもビックリしました。

鳴り止まぬ通知音に正直辟易し、「やっちまった…」と思いました。

あんまり騒ぎになりたくねえなと思います。

公共の場での発言には気をつけねばなりませんね。自業自得。お騒がせしてすいません。

ただ、いただいたリプライの中には「声優さんのお仕事にはこんなものもあるんですね」と言ってくださった方もいて、思わぬ新発見をしていただけたのなら、うれしいです。


今日は、私が生業としている「声のお仕事」の種類について書きます。

20代の頃はアニメで活躍したいぜ!と思い、身を粉にしてがんばってましたが、今はナレーションのお仕事が主です。結果的にそれがしょうに合っているのか、事務所との連携のおかげも大いにあり、本当に種々様々なお仕事をさせていただいています。


まずはおなじみ、


・アニメーションキャラクターの声、洋画の吹き替え(その他、パチンコやゲームなど)

これはわかりやすいですね。エンディングに名前も出ますしね。

次に広告のお仕事。


・TVCM、ラジオCM

企業の商品・サービスの宣伝です。

尺は、15秒~長いもので2分くらい。例外もあります。


・企業の映像(音声)

目的は上と一緒ですが、伝えたいサービスや商品、またはブランドのイメージそのものをお伝えする、もう少し長尺の映像のナレーションです。

媒体は、店内やイベント会場で再生されるもの、Web配信、特定のお客様に向けたもの、企業間でのみの公開、または社外秘のものなど多種多様です。


・賞用

広告業界には『広告大賞』というものがあります。その賞のために作る作品です。これは基本的に一般公開されるものではありません。


その他、商品や公共で使用されるものの音声素材。

たとえば…


・アプリの声

スマホやタブレットが流行り出してから、これも増えていると思います。

・教材の声

海外で暮らす日本人のお子さんたちのための国語の教材の声なんていうのもありました。

もちろん国内販売用の教材DVDの音声とかも。

・ATMの声

話題になったのはこれですね(笑)


・医療関係

一般の方が利用されるサービスの音声案内のようなものもありますし、また医者や病院、専門の方に向けたものになると用語が難しく腕が鳴ります。


・まったく表に出ない仕事

広告代理店や制作会社がCMを制作する際に、クライアントにプレゼンテーションします。そのプレゼン用に制作する映像へ声を当てます。

ナレーションもあれば、ゆくゆくは実在のタレントや俳優を起用するので、彼らの役をやらせてもらったりもします。


…他にもまだまだ、説明しきれないほど多種多様な声のお仕事があります。


そしてそのすべてにおいて、その案件に応じた全く異なる表現のアプローチが求められます。

声質、トーン、技巧的なことから、物語の読解、ジャーナリストとしての感性。

モノローグ、セリフの掛け合い、CM全編に渡るナレーションもあれば、CMの〆など一部の声、マスコットキャラクターの声、毎現場毎現場がオーダーメイド。

おかげで「仕事に飽きる」ということがありません。


私は、「どう読んだら?」ということを考えるよりも、

「これはどこで流れますか?」「どんな方のためのサービスですか?」ということを、

スタッフさんから教えていただいたり、自分で考えたりします。

そうすると、ふっと自然に「どう語ったらいいか」わかってきます。

目の前のスタッフさんやクライアントさんを楽しませたり満足させることはもちろん、

その声が届く先の人のことを考えている時に、

私はこの仕事の幸せを感じるのです。

幼い夢の果てに、自分が仕事に対してこういった充実とやりがいを見出せたのは、とても幸運なことだと思え、ひとつひとつのお仕事に巡り合う縁に感謝します。

KIMURA HARUKA

木村はるかが140文字をオーバーする時。

0コメント

  • 1000 / 1000